中高生アスリートの食事を考える
目次
Contents- 01「5種類そろう食事」=最強のベース
- 02練習前後・試合時の補食(内容・タイミング)
- 03食が細い中学生への対応策(少量高栄養・工夫)
- 04サプリの最新推奨(Food Firstで考える)
- 05お菓子・嗜好品との付き合い方(禁止じゃなく設計)
- 06陸上特有の課題と対応(不足・鉄・夏)
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中学生アスリートの食事:まず「5種類そろう」を型にする
結論主食・主菜・副菜を軸に、乳製品+果物を足す。
- 5種類を揃えると「不足栄養」が出にくい(鉄・カルシウムの穴が減る)
- 練習前は糖質、練習後は糖質+たんぱく質(タイミングが勝負)
- 食が細い子は回数戦。大盛りで勝たず、分割+密度で勝つ
1. 「5種類そろう食事」=最強のベース
中学生アスリートの食事は、細かい栄養計算より先に「型」を持ったほうが強いです。 成長期は体の材料もエネルギーも毎日大量に必要なのに、忙しくて毎回完璧に考えるのは無理。 だから迷ったらこれ。主食・主菜・副菜+乳製品+果物の5種類を目安に揃えると、栄養バランスが整いやすくなります。
図1:5種類そろう食事(主食・主菜・副菜・乳製品・果物)
現場あるある:「主食だけ」「主菜だけ」になりやすい。5種類の“席”を用意しておくと、足りないものに気づけます。
成長期は「体が増築工事中」:材料が足りないと工事が止まる
中学生は身長も体重も伸びる時期。ここで必要なのは根性ではなく、材料(たんぱく質・カルシウム・鉄)と燃料(糖質)です。 練習を積んでも材料が足りなければ回復が追いつかず、ケガや不調につながります。
- 主食(糖質):空っぽだとフォームもメンタルも崩れやすい(ガス欠)
- 主菜(たんぱく質):筋肉・腱・血液の材料。練習後に入れると回復が速い
- 副菜・果物:回復の回路を回す。疲労感の差になって出る
- 乳製品:骨と成長の土台。カルシウム+たんぱく質を同時に取れる
Rizeスタンス:栄養は「才能」じゃなく「再現性」。強い選手ほど、毎回の気合いではなく、型(習慣)で勝っている。
「今日は揃わなかった…」で落ち込まなくてOK。 大事なのは“毎食100点”じゃなく、不足に気づいて次で補う設計を持つこと。
2. 練習前後・試合時の補食(内容・タイミング)
練習量が増えるほど「3食だけ」では追いつかない日が出ます。そこで重要なのが補食(間食)。 ただし補食は“お菓子タイム”ではなく、足りない栄養を埋めるミニ食事です。 目的は2つだけ。①練習の燃料を切らさない ②回復のスタートを早める。
図2:補食のタイミング(前=燃料 / 後=回復スイッチ)
現場感:「部活前にチョコ」「終わってから何も食べない」が一番多い。そこを直すだけで、練習の質と翌日の動きが変わります。
補食の基本ルール(迷ったらこれ)
- 前(30〜60分前):消化が軽い糖質中心。脂質は少なめ
- 後(できれば30分以内):糖質+たんぱく質で回復スイッチON
- 量の目安:1回300〜500kcal前後(食が細い子は少なめを回数で)
| 目的 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 練習前の燃料 | バナナ、ようかん、ゼリー飲料、あんぱん、カステラ | 糖質中心で消化が軽い。短時間でもエネルギーになりやすい |
| 練習後の回復 | おにぎり+牛乳/ヨーグルト、ゆで卵、サラダチキン、肉まん | 糖質で枯渇を戻し、たんぱく質で修復に入る |
| 試合前日〜当日 | ご飯、うどん、雑炊、パン、麺類 | 消化が軽い炭水化物でエネルギー確保。胃腸トラブルを避ける |
Rizeスタンス:補食は「根性で食べる」じゃなく「仕組みで入れる」。 事前に用意した人が勝つ(家にある・カバンに入ってるが最強)。
3. 食が細い中学生への対応策(少量高栄養・補助食品の工夫)
思春期は食欲にムラが出ます。部活後は疲れて食べられない日もある。 ここで「大盛り食え!」で押すと逆効果になりがち。 食が細い子は、量で勝たずに“密度と回数”で勝つのが現実的です。
図3:小食の攻略は「大盛り」より「分割+高栄養密度」
コーチ視点の実務:食が細い子ほど「食事回数」「帰宅直後の導線」「喉ごし」を整えると伸びます。
具体策:小食の子が“勝ちやすい”工夫
- 回数を増やす:補食込みで1日4〜5回。胃腸への負担を分散して総量を稼ぐ
- 少量高栄養:卵・納豆・チーズ・豆腐・ヨーグルトでたんぱく質を底上げ
- 一品完結:カレー、親子丼、具だくさんうどん、雑炊(型で揃える)
- 喉ごし導線:疲れて入らない日は、冷たい麺・ゼリー・スープで“入る形”へ
「今日は食べられなかった」の扱い方
完璧主義は不要。大事なのは「取り返し方」です。 夕食が入らないなら帰宅直後に補食→休む→軽めの夕食の二段構え。 あるいは翌朝の主菜と乳製品を厚くして帳尻合わせ。1〜3日スパンで整えばOK。
Rizeスタンス:食が細い子は「根性で食べる」より、勝てる設計に変える。 練習メニューと同じで、個体差に合わせて最適化した方が強くなります。

4. プロテイン・鉄・ビタミン等サプリメント利用(最新の考え方)
まず大前提はFood First(まず食事)です。中学生年代は体が増えるスピードが速く、 サプリよりも「毎日の食事設計」と「補食の導線」を整えた方が、パフォーマンスに直結します。 ただし現場では、練習直後に食事が取れない、食が細い、遠征で食環境が崩れるなどの理由で “補助として”サプリ的なものが候補に上がります。ここは使う/使わないではなく、 何を・いつ・どこまでがポイントです。
図4:Food Firstの優先順位(ピラミッド)
現場感:サプリを先に入れると、食事の改善が止まりやすい。まずは「主食・主菜・副菜の穴」を潰すのが最短です。
プロテインは「便利な食材」扱いがちょうどいい
練習直後に食事が取れない、帰宅が遅い、食が細い。こういう状況では、プロテインは“便利な食材”として役に立ちます。 ただし中学生では摂りすぎ・依存が起きやすいので、基本は「足りない分だけ」。
- 使いどころ:練習後に食事が遅れる時、たんぱく質が明らかに不足しがちな時
- 優先:まず牛乳・ヨーグルト・卵・豆腐・納豆など、食材で補えるか
- 目安:まずは「補食のセット(糖質+たんぱく質)」で考える(例:おにぎり+牛乳)
Rizeスタンス:プロテインは“魔法”ではなく“道具”。道具に頼る前に、食事の型と導線を作った方が伸びます。
鉄・ビタミンのサプリは「自己判断で常用しない」
鉄不足は中学生に多い一方で、鉄サプリの過剰摂取はリスクがあります。 まずは食事で鉄が入る形(赤身肉・魚・大豆・緑黄色野菜)を作り、貧血が疑われるなら検査→医師/専門家が基本です。
| よくある悩み | まずやること | 次の一手 |
|---|---|---|
| 疲れやすい/息が上がる | 鉄が多い食材を増やす(赤身肉・魚・大豆・青菜) | 改善しなければ検査(貧血・フェリチンなど) |
| 野菜が少ない | 副菜+果物で“回路”を回す(汁物に野菜追加) | 必要なら栄養士に相談 |
| 遠征で食事が崩れる | 携帯できる補食セットを準備(糖質+たんぱく) | 不足が明確な時だけ補助を検討 |
5. お菓子・嗜好品との付き合い方(禁止じゃなく設計)
結論、全面禁止は不要です。むしろ禁止が強いほど、反動で崩れやすい。 大事なのは「頻度・量・タイミング」を設計すること。 体の栄養(食事)と心の栄養(嗜好品)を両立させた方が、長く安定して強くなります。
図5:お菓子は「禁止」より「ルール設計」
現場感:「お菓子でお腹いっぱい」だけ避ければOK。試合前だけ控える、終わったら楽しむ、でも十分戦えます。
おすすめの“現実ルール”例
- タイミング:食後のデザートに寄せる(空腹に甘い物を入れない)
- 量:「1日のエネルギーの10%くらいまで」を目安に(ざっくりでOK)
- 前後関係:試合前は控えめ → 試合後は楽しむ(メリハリ)
- 補食と混同しない:補食は“目的あり”、お菓子は“楽しみ”。役割を分ける
Rizeスタンス:続く仕組みが強い。禁止で短期的に締めるより、ルールで長期的に安定させた方が伸びます。
6. 陸上アスリート特有の課題と対応(エネルギー不足・鉄欠乏・夏の食欲低下)
陸上は練習の強度が高く、消費が大きいスポーツです。種目が違っても共通して起きやすいのが、 エネルギー不足と鉄不足、そして夏の食欲低下。 「走ってるのに伸びない」「最近キレがない」「疲れが抜けない」は、フォーム以前に 燃料と材料の不足が原因になっていることがよくあります。
図6:悪循環(不足)→改善ループ(設計)
現場感:夏に崩れる子は「水分だけで終わる」「冷たい物だけ」になりがち。食べられる形を用意すると戻ります。
エネルギー不足:走ってるのに伸びない原因になりやすい
エネルギーが足りないと、練習の質が落ちるだけでなく、回復が遅れてケガのリスクも上がります。 特に「体重を軽くしたい」意識が強い子は要注意。成長期はまず発育と健康が最優先です。
- 朝食が薄い/抜ける → 午前がガス欠
- 練習前に糖質が入っていない → 練習の質が落ちる
- 練習後に何も入れない → 回復が遅れて翌日も重い
Rizeスタンス:「走る量を増やす」より先に、燃料と回復の導線を作る。そこが整うと練習が効きやすくなります。
鉄欠乏:夏は特に落ちやすい(汗+食欲低下)
なんとなく疲れやすい、キレがない、息が上がる。こういうときは鉄不足も疑います。 まずは食事で鉄を入れる形へ。赤身肉・魚・大豆・青菜を「毎日のどこか」に固定すると強いです。
- 鉄の相棒:ビタミンC(果物・野菜)と一緒だと吸収が上がりやすい
- 現実的な固定:納豆+卵、肉+野菜スープ、魚+味噌汁など“セット化”
- サプリは慎重:疑わしいなら検査してから(自己判断で常用しない)
夏の食欲低下:冷たくて“入る形”を準備する
夏は暑さで胃腸が落ちます。ここで食事が崩れると、悪循環に入りやすい。 ポイントは「水分だけで終わらせない」ことと、「汁物・ゼリー・麺」など入る形にすることです。
- 具だくさんスープ:水分+塩分+野菜が一気に入る
- 果物:水分と糖質が同時に入る(バナナは特に便利)
- 冷たい麺:具を足して“主食+主菜+副菜”に寄せる
正直、今回まとめてみて思ったのは、速くなるための食事って「特別なこと」じゃなくて「型」だなってこと。 気合いとか根性より、毎日の生活でちゃんと再現できる仕組みのほうが強い。中高生は自分の努力だけで何とかなる問題じゃないので、保護者の方の協力は必須!
現場で多いのは「食べてるつもり」なのに、主食だけだったり、主菜が薄い日が続いたり、 補食が“お菓子”に寄って回復が遅れるパターン。 これは本人の意志の問題というより、やり方と導線が無いだけ、って場面が多い。
だからRizeとしては、食事もトレーニングと同じで、誰でもできる形に落として、続けられる仕組みにするのが大事だと思ってる。 完璧を求めるより、「足りない日に気づいて次で補う」くらいが、いちばん現実的で強い。
速くなりたいなら、練習だけじゃなく、食事も“練習の一部”として扱う。 これが今回のまとめというより、私の本音です。
